2009年 04月 09日
< 「パコと魔法の絵本」 > 関口 尚 著
大貫は無一文から始めた会社を何とか大きくしたくて、寝る間も惜しんで働いた。その会社はさまざまな分野の会社を吸収合併して、いつしか帝国と呼ばれるほどの巨大企業となった。その会社の会長である大貫は人間が捻じ曲がっていて、自分以外の人間はみんなバカだと思っていて、虫けらと接するような態度をする。
そんな大貫が東京郊外にある古くて小さな総合病院に入院することになった。入院患者はみなバカで、顔を合わせるだけで、いや、その声を聞くだけでいらいらするような人間ばかりだった。その患者の中にいつも絵本を小脇に抱えている7歳の少女「パコ」がいた。
鬼の目にも涙ならぬ大貫の目にも涙! 最後は私自身も涙がでそうになったほどの感動の小説である。
by mikannohanasakuok
| 2009-04-09 21:09
| 読書