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< 「人はなぜ誤るのか ヒューマンエラーの光と影」 >海保博之著

・誤りをおかしやすい人
 活動的でのんきな人、衝動的な人
・誤りをおかさない人
 非活動的、心配性、熟慮的な人
・他人の誤りに我慢のならない人(秩序感覚の鋭い人)
 てんかん質(やせ型、筋肉質)
   几帳面、綿密、義理堅い、丁寧、倹約家、きちんとしている
・秩序感覚の鈍い人
 躁うつ質の人
   社交的、親切、友情が深い、明朗、おしゃべり、活発(躁型)
   柔和、落ち着き、自罰的(うつ型)
  
  躁型とうつ型は同期的に1人の人に出現することが多い。(肥満型の人に多い)
  混乱期には貴重な役割を果たすが、安定期には周囲から煙たがられる。政治家や
  実業家に多いタイプ。


・「誤りやすい人と誤りの少ない人」、「秩序感覚の鋭い人と鈍い人」の分類
①「創造型」「おっちょこちょい型」
 よく仕事をする、何時もなにかをしている、ただよく誤る。
 身の回りが乱雑でも一向に平気、人の悪口も言うが陰険でない。集団で
 何かをするのを好まない。


②「ていねい型」「ねちねち型」
 「創造型」「おっちょこちょい型」とは正反対
 書類作りが抜群で誤字、脱字は全く無い
 じっくり時間をかけて確実な仕事をするのを身上としている
 人のミスにも厳しく、執拗なまでにミスの原因を追求してくる。

③「てきぱき型」「うるさ型」
 よく仕事が出きるが、それだけによく誤りもする。
 人の誤りに対しては敏感であるが、誤りのなんたるかを知っているか
 どうかによってその対応が違ってくる。つまり、自分の誤りから常に学ぶ
 姿勢を持っている人なら、他の人の誤りに対して適切な指示なり、対応が
 できる。 自分の誤りに鈍感でそこから何も学ばないのなら、ただ、
 小うるさく人の誤りをあげつらうだけの人になる。

④「じっくり型」「ぼんやり型」
 ほとんど誤らないかわりに、仕事もゆっくりしている。秩序に対する感覚が無いだけに、
 自分みずからが自分お仕事の正誤を判断することもしない。
 これに能力の低さが加わると、言われたことを人の2倍も、3倍もの時間と労力をかけ
 てやることになってします。
 しかし、能力のある人だと、じわじわと周囲に影響力を及ぼす凄さが、この型には ある。

 有名人を四つの型に分けると

  長嶋監督は「創造型」「おっちょこちょい型」
  ヒットラーは「てきぱき型」「うるさ型」
  夏目漱石は「ていねい型」「ねちねち型」
  小渕元首相は「じっくり型」「ぼんやり型」
  
 誤ってよい場合とは
  「しくじる」
  またひとつ
  しくじった
  しくじるたびに
  目があいて
  世の中すこし広くなる


 (榎本栄一 「詩集 群生海」南御堂難波別院)


誤って「よい」場合とは
 1.人畜無害のとき
 2.一時的には誤りであっても、それが結局はよい結果へと導く場合
 3.誤ったときには、誤りであることが自分自身で気づけるとき
 4.誤ることが他人によい影響を及ぼす場合


誤りの原因、原因の帰属癖をつける。

  原因    自分に    環境に
 変らない   能力     課題
 変りやすい  努力      運


誤りに強い社会
  誤りに強い社会を作るには社会システム、文化の中にいくつかの仕掛け
  が必要である。
 1.誤りの方ばかりに目をむけるよりも、正解や達成したことの方に目を転ずる
   ことである。
 2.誤りの原因を人に帰着させておしまいとはしないことである。
   誤りの原因は、とことんさかのぼれば、確かに人に帰着する。しかし、
   その人を誤らせた外部の状況要因を執拗にさぐる努力をおこたって
   はならない。
 3.誤ると重大なことになるところにかぎって、徹底して、フール・プルーフ
   機構(fool proof:誤った行為は相当努力しないと出来ないように
   しておく)やフェイル・セーフ機構(fail safe:誤っても安全なようにして
   おく。)を施してつまり、人は誤るということを前提に環境を設計して
   おくことである。

  「人はなぜあやまるのか・ヒューマンエラーの光と影」 海保 博之著 福村出版
by mikannohanasakuok | 2006-07-24 09:05 | 読書