2008年 08月 01日
< 「しゃばけ」 > 畑中 恵著
「何か面白い本ない?」、「この本面白いよ」と渡された。「どんな本?」と聞くと、「妖怪が出てくる本」。この本や著者に対してこの程度の予備知識しかないまま本を読み始めた。
のっけから続々と妖怪が登場する。廻船問屋長崎屋の若旦那の手代佐助と仁吉、古い屏風が化した屏風のぞき、鳴家など等。この本に登場する準主役、付喪神のなりそこないの「墨壺」がでてくるが、墨壺は大工道具の1つで水平や垂直を出す道具。簡単な構造だが使い方を間違えると家が傾いてしまう。この墨壺が人に取り付いて大暴れをする。
妖怪が登場する本の割には、江戸の町並みがとてもきれいに描かれていて、情景が目に浮かぶようだった。
付喪神:長い年月を経て古くなった対象(その多くは何らかの道具や器物であることが
多いが、まれに動物などの生物も含まれるとされる)に、魂や精霊が宿るなどし
て妖怪化したものの総称。